【釣り場ガイド】方杭崎(和歌山県):この地磯はパラダイスとか桃源郷とかを超えてもはや三途の河レベル
答えは「笑いが止まらん」である。
のっけからのっぴきならない話で恐縮だが、方杭崎からの帰りの道中、同僚と車の中で、「生きて帰還したオレたち」が、いかに必死になってヤツを乗り越えたのか、当時の必死のパッチだった自分たちの姿を思い返すにつけ、普段のオレたち、40過ぎのリーマン的安全で安心な日常の中にいるオレたちの姿とあまりにギャップがありすぎて、どうにも笑いが止まらんのである。
その時の様子を交えてこの釣り場の魅力を語るにはまずエントリーするところから始めてみたいと思うが、その前にひとつ。
この記事は本来、どうにもこの釣り場に行きたくてたまらん、と思ってもらうことを念頭に書きたいのだが、この方杭崎だけは、やめといたほうがいい。 どうしても行くというなら、あくまで自己責任で、どうか三途の河を渡らないでねと言わざるを得ない、そんな場所だったことだけはまず報告しておきたい。
ホンマに危険やで。行くなよ、絶対。
釣り場へのエントリー
地磯攻略の鉄則は二つ、両手を常に空けておくことと、滑らない靴を履くことである。時に草をかき分け、時に岩山を登り、ロープをつたって崖を降りる。絶対に無理をしてはいけない。どんなに荷物が多くても、危険を感じる時には荷物を分け、何回か往復してアプローチしたほうがいい。
方杭崎の釣り場へのエントリーは、大きく3つのフェーズに分けられる。
フェーズ1.意気揚々期
フェーズ2.ヌカ喜び期
フェーズ3.絶望期
フェーズ1.ではいきなり崖を登ることになる。駐車スペース横から平坦にエントリーできる獣道があるがそっちではない。電柱2本の左横にある上に向かって伸びるほうだ。漢(おとこ)なら苦難から逃げてはいけない。攻めねばならぬのだ。
ちなみにこの後どんな磯アプローチになるかも知らず、やれカゴ釣りだフカセ釣りだとさまざまな道具、撒き餌を持ち込んできた我々は、このフェーズ1.ですでに汗だく、膝ガクブルなのは疑いの余地がない。鉄則などどこ吹く風である。
変わってフェーズ2.はなだらかだ。尾根づたいに50mほどだろうか、緩やかなアップダウンが続く。道筋に迷うことはない。
下りになり、視界が少し開けたころ、フェーズ3.、例のヤツに出くわす。ヤツを見たらあなたはきっとこう思うだろう。
「え、これ降りるんすか。」
例えて言おう。ほら、よく消防署に、訓練用のコンクリートのちっこい5〜6階建てのビル、あんじゃん。てっぺんからロープが垂れ下がってて、上から消防隊員が、ロープを両手で握りしめビルの壁を蹴りながら降りる訓練するやつ。
あんな感じだと思ってもらって差し支えない。しかもあの壁を命綱なしで片手にリールとかバッカンとか持って降りる的な。
クレイジー、はっきり言ってお前はクレイジーだ。
なぜか6本ほどロープが垂れ下がり(そしてそれらはいったいどこに結び付けられていてどのくらい安全なのか皆目見当がつかないのだが)、下の降り場は上から見えず、一見してどこに足をかければ良いか全く分からない絶壁。これを今から降りるのだ。
オーケイオーケイオーケイ。いい子だ。今ならまだ間に合う。隣に波止があったじゃないか。お前の判断は間違っていない。海はつながってるぞ?あっちにだってグレぐらいいるさ。グレートなグレが。そうだ。いい子だ。
・・気づけばそこには必死に生きようとするおっさん二人がいた。
もはやなんのためにこの崖を降りようとしているのかすら考える余裕もない。呼吸は激しく、黙々と、次はどこに足をかけ、どう体重を支えるか。一歩ずつ。踏み外さぬように、それだけを考えて降りていく。
人生でそう何度もないくらい真剣になる。同僚との間で交わすのは「ご安全に」「無理すんなよ」「ゆっくりな」「踏み外したら終わりやぞ」。
頭の中でプロジェクトXのテーマが流れる。
20mほど、そうやって安全を確かめながら降りた。人間、やればできるものである。褒めてもらいたいくらいだ。だって、その時は二人とも片手で荷物を持ちながら3往復する羽目になったのだ。ダメだ、背負子買おう、背負子。
下から見たらこんな感じ。写ってるのは下半分。てっぺん見えません。
どうだい?それでも行くかい?
訪れる人たち
こんな場所なのでまず人とすれ違うことも、釣り場で居合わすこともほとんどないといっていい。すれ違いざまに、元気に「今日はどうですか!」とか声掛け合う心の余裕など微塵もない。なので訪れるであろう人々を想像するしかないわけだが、
うん、きっとキチガイすねw
海底地形と潮の向き
方杭崎は西を向いた磯で、北、西、南と三方に向いて釣座を構えることができることから、春の南風、冬の北西風のどちらでも入ることができる。釣り場はそれなりに広く、5,6名は収容できるだろう。
磯際から10~15mあたりにカケアガリのラインが見える。緑色のところで水深13m、カケアガリで一気に水深5mぐらいまで上がる。このラインに沿って魚探で魚の反応が出た。
地磯としては比較的水深があるほうなので、紀州釣りよりもカゴ釣りに分がある。潮汐、潮の強さにもよるだろうが、かなりしっかりした潮目が岸際から沖に向いて縦に出るので、そのときが時合であろう。
なお画像上、右から左(由良湾奥から太平洋側へ向けての流れ)のとき、中層でアイゴ、底でガシラ、カワハギの釣果あり。
風
海水温
アタリ動画
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釣果レポート
アクセス
阪和道広川 ICから国道42号線、県道23号線と入って、県道24号線へ。21分。
ゴミについて
そもそも波止ほど来る人も少ないと思われるためゴミが散乱しているわけではない。だが当然のことながら捨てていい場所は付近にはない。ドリンク、弁当などは持って帰ることを想定して装備すること。
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