潮が速い。ヤバいくらい速い。速すぎてウキがビヨーンなっとる。:【スポーンズ・アイ】紀州釣りに挑む

例えば紀ノ川河口で紀州釣りのダンゴを目の前に投げるとですね、右岸に立ってたとしたら左から右へ激流なわけです。言うても川なんで。で、目の前の寝ウキがサーっと右手(下流)へ流される。タナはせいぜい2ヒロ、着底まで4、5秒か?寝ウキはすでに下流5、6mぐらい。タナをトントンにしてしまうと、着底前には寝ウキがナナメに沈み、水中でたなびく。ダンゴが割れ挿し餌が抜けると寝ウキが勢いよく水面へスポーン!。その後1分も流せば下流はるかかなたへ寝ウキが流れていくのでありましたってこれ何狙いの釣りなのよ!


とここまで潮が速くなくても、普通どこでも潮は動くものである。潮が動くので道糸はフケる。ダンゴが割れるまでの間道糸は潮下へ膨らみ、ウキ止めに当たれば寝ウキは沈みハリスはピーンと張られる。ダンゴが割れると挿し餌がズボッと抜けて浮き上がる。明らかに「不自然(潮に乗っていない)」である。


よって潮が速いときの対策とは、この「ズボッと抜ける」不自然さをなくす対策ということになるであろう。


そこでオレは考える。


作戦:錘で挿し餌を底に留める

潮が速かろうがなんだろうが、ダンゴが割れた直後に、基本的に挿し餌が潮に流されなければ不自然さはない。そこでハリスを1ヒロ取り、ヨリモドシで道糸と繋ぎ、道糸側に2号の丸っこい中通し錘を付けるる。そしてダンゴのなかに錘と挿し餌を一緒にくるんで投入したらどうだろう。中通しなので、チヌが挿し餌を加えて走ればウキにアタリが出るはず!


やってみたら:

ダンゴを投げる。ダンゴが沈み、寝ウキがウキ止めに当たる。潮が速いので寝ウキもナナメになりながら沈む。ダンゴは割れたか?寝ウキは相変わらず水中でたなびく。一向に浮いてこない。今日もいい天気だ。全く異常なし。


考えが浅かった。錘が全ての潮の速さを受け止め、錘が基点となって、底を這うハリスと潮にフケるハリスがL字形となる。さし餌は底をそよそよ。ウキは水中でそよそよ。

水中でたなびく寝ウキの浮力+潮の速さ分の抵抗力をもろともせずさし餌を咥えるぐらい活性の高いチヌがいたらもはやこんな工夫をせずとも釣れていただろう。ということで失敗。


作戦:寝ウキを取る

寝ウキの浮力、糸フケで挿し餌が不自然に動くのだから、寝ウキを取ってしまえばいい。どれだけ潮が速く糸がフケようが、ダンゴが割れた段階から挿し餌の浮遊が始まる。自然としか言いようがない。


やってみたら:

これも、いったいいつダンゴが割れているのか、挿し餌は今どこを流れているのか、エサ取りはアタっているのか、そしてチヌは寄っているのか、さっぱり分からない。というか単純に面白くない。筏釣りみたいに短竿の穂先でアタリを取れるわけでもないし。ビヤーッ!て糸が走るのをただ待つだけって運やんそれ。


作戦:着底と同時にダンゴを割る

これならフケる糸、フケる寝ウキに挿し餌が不自然にひっぱられることはない。これに違いない。でもどんなイメージだろう。着底したらバカッ!と割れるのかな。それとも落下中からモゾゾゾゾと溶けていき、底に着いたときはダンゴがなくなっているようなダンゴ(どんな配合か知らんけど)にするのかな。


やってみたら:

・・・うーん。


割れたときが本当に着底と同時なのかその手前なのかがいまいち分からない。ちょっとでも寝ウキが沈んだらアウト。硬さのコントロールがシビアすぎてよく分からない。なんとなく、ある程度外側が崩れたあと途中でバカッ!て割れてる気がするし。


作戦:ダンゴが割れたときに寝ウキがちょうどウキ止めに当たる這わせタナを探す


やってみたら:

まずタナトントンで、何回どれくらいの強さでダンゴを握ったら、着底後何秒でダンゴが割れるのかを調べる。それが寝ウキが沈んで20秒後なら、タナを15cmずつあげていき、寝ウキが沈む/シモることなく潮下へ流れていくタナ、つまり20秒後にウキ止めに当たるタナを探す。これがその潮の速さに対する「タナトントン」である。


この状態だと、エサ取りが寄れば寝ウキに反応は出るし、チヌが食ったら前アタリからの本アタリもちゃんと出た。すげーじゃん。這わせ、できたじゃん、オレ。


ちなみに私が青岸でやったときは、だいたい水深+1ヒロでした。


結論:潮が速いときは、潮の速さに応じた「タナトントン」にする。

タナトントン=水深+潮に流される最中、ダンゴが割れたときにちょうど寝ウキがウキ止めにあたる長さ、である。


気をつけよう:

潮の速さは時事刻々と変化する。潮が速くなればタナを上げないと寝ウキがシモる。潮が止まってくればタナを下げないとアタリが正確に取れず状況が把握できなくなる。


注意しないといけないのは潮が止まりだしたことを忘れる/気づけないとき。寝ウキに反応が出ないまま挿し餌が取られたことも気づかずただ流してしまうようなことになりかねないし、だいたい潮の変化は速さに加えて満ち引きとセットで起きるので、タナがズレていることにも気づけなくなる。


つまり、紀州釣りは「潮を釣れ!」、ちゅうことですね。


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