【紀州釣りレポート】淡輪ヨットハーバー 小潮は酸素の量に気を付けよう 2019/05/25
ヌカがね、余ったんすよ。大量に。前回の釣りで。
こいつを置いとくと、湿気で虫が湧くからっつって、どっかでチヌと取り替えてこなくちゃダメだってことになって、そんで2週連続で釣りに行かせてもらうわけですよ。いやー。ありがたい。
そんで結論から言うとダメだったと、まあこういうわけですよ。いやー。情けない。
釣れなかったときは筆が走らんので記事は書けないことが多いんですけど、今回ダメだった理由をちょっと思いついちゃったんで、備忘録兼ねて記すことにします。潮が動かずやべーっつう話です。誰かの参考になれば幸いです。
当初の狙い:同僚に紀州釣りで釣ってもらう
ありがたいことにいつも私の釣りものに合わせてくれる同僚は、私がフカセに挑戦し出したときは自身もフカセを嗜み、フカセでエサ取りの層を突破できなくなってきたこれからの時期は紀州釣りをやってみたいという。
そりゃもちろん紀州釣りの楽しみを知ってもらいたい私としては願ったり叶ったりで、ぜひやろうすぐ行こうということで、余ったヌカの処理がてら、ハズレのない場所でかつ、安全に釣りに集中できる釣り場を探すことに。
でもいくら釣れるからといって、テトラはダメだ。足場の悪さが余計に紀州釣りの難易度を高めてしまう。防波堤。それも波の低い、比較的水深が浅い漁港がいい。しかし盛期ならいざ知らず、この時期に釣れる漁港なんてあるのか。
そんなある時目についた、とあるインスタグラマーの釣れたよ写真の風景。
防波堤で、藻(ホンダワラ)が生えて、エサ取りがわんさかいて、ボラが水面を漂っている場所。これだ。このシチュエーション。私の中で勝手に大阪湾の勝ちパターン化したゴールデントライアングル。それがテトラ以外でもあるなんて。ここへ行こう。すぐ行こう。
淡輪ヨットハーバーへ。
紀州釣り実釣開始:
実釣時間:7:30〜13:30
風:ほぼ無風
潮:小潮で全く動かず
水温:22℃前後
仕掛け:
道糸サスペンド2号、寝ウキ、ハリス1.5号2ヒロ、チヌ針1号
さし餌:オキアミ、練り餌(食い渋りイエロー)
ダンゴの配合:
ヌカ8L:砂1.6L
サナギ粉:600cc
押し麦:少々
アミエビ:200cc
釣り座に着いて、左手に紀州釣りの方が2名。互いにお知り合いの様子。30mほど離れて釣り座を構える。
まずはひと通り、ダンゴの混ぜ方から仕掛けの作り方、ダンゴの固さや投点、ウキの一連の展開(一旦沈む、浮いてくる、割れたときの動きなど)をレクチャーする。例によって、自分でやってみないと要領得ないんだけど。そしてレクチャー終えてから自分の準備に入る。
さて。
今回、なにぶん釣れなさ過ぎたため、写真も時間を追っての展開も何もない。
終始エサ取りゼロ。久々のノースポノーアタノーピクノーシブノーカジリで完全なるボウズ。
凪いでいて潮も動かず釣りやすいため、ダンゴの割れ加減や投入後の展開などを説明するのに格好の状態ではあった。
しかしひと通りレクチャーを終えセオリーどおり足元の藻際から15mほど先のカケアガリ(窪みと言おうか)までエサ取りの加減を伺うが、一向にさし餌が取られない。ボラアタリもない。水面をボラが悠々と泳いでいるのに、悠々と通り過ぎ去っていく。いつものボラアタックがない。
しかもあろうことか今回また芯残りに悩まされる。が、砂の持ち合わせもない。クルマには予備があるが1kmほど歩かねばならない。
さすがにこの無風でジリジリくる日差しの中、汗だくになって砂を取りに行く覚悟はない。よって中途半端に芯残りしたりしなかったりのまんじりともしない時間を過ごす。
1時間ほど経過。あまりに退屈なので同僚も「釣れないすねえ」。そうすねぇ。って言ってる場合じゃないんだけど。
場所を変えようとテトラ側を見る。陽当たりがいいのか、栄養分が多いのか分からないがホンダワラの生育が激しい。20m先までびっしりだ。これではさすがに万が一掛けたとしても藻に絡まれて絶対に取れない。テトラも若干不揃いでバッカンの置き場を探すのも苦労しそうだ。
ヨットハーバーから出ることも考えたがまだ小一時間。駐車場代がもったいない。
仕方がないので少し先端寄りに場所を移す。なにが変わるわけではなかったが。
その後、投点、這わせタナ、締め加減、煙幕加減、さし餌、など思いつく限りの工夫を凝らしたがダメ。先の紀州釣り師もエサ取りを掛けることはあってもチヌには届かない模様。
いよいよ私の腕ではどうにもやりようがないため、いい加減に諦めて場所移動を決意。だがこの時点で11:00。移動時間含めてあと2時間でそれなりに反応得られそうな、といえば、距離的にも青岸ぐらいしか思いつかず。だがやるしかない。急いで移動することにした。
が。青岸の先客の紀州釣り師に状況を聞いてみると、ここも全くダメとのこと。
だがヌカが残っているのをこのまま持って帰るわけにはいかない。仕方がないので付け根付近で釣ってみることにする。
かなり急ピッチでダンゴを投入(ここはなぜか30mラインに魚影が出ることが多い)、急いで寄せにかかる。エサ取りはいるようで数投ごとに齧られはするが、1時間ほどだろうか、これといったアタリもない。
そうこうしているうちにヌカも尽き、時間も尽きた。終了。ボウズ。なんだ?これは。
振り返り:小潮の威力。
ひとまず同僚には謝らねばならない。初ダンゴがノーピクではさすがにつまらなかったであろう。炎天下で握力の筋トレ。どんな罰ゲームなんだ。
しかし例によって釣れなかった理由が気にかかって仕方がない。前回の泉大津の状況と比較しながら思い返し、いろいろと調べていくが、思うのはやはり、潮の動きがなかったことが一番の敗因であろう。
潮位差のない小潮。潮の動きとりわけ底潮の動きがない状態。酸素量低下やプランクトン拡散による捕食性低下、さらに潮が動かないため水の入れ替えが起きず、水温が過度に上昇しやすく(当日は気温32℃の真夏日だ)、チヌの活性が著しく落ちた状態。
かろうじて左手紀州釣り師が7:30〜8:00ごろにそれぞれチヌ1枚、キビレ1枚を掛けておられたぐらいだ。他の釣り人も完璧にボウズだった。
どう表現すればいいだろう。潮が重い。澱んでいる。ホンダワラは水面のほんの10cmほどしか横にたなびいていない。まさに水塊。少しでも体長のある個体は酸素を得るのに精一杯な、どこか息苦しい感じのする海だった。もちろんダンゴはまっすぐ下に落ちて行く。
潮が全く動かない、で今思い出したが、金山崎のときも、アカバエという地磯に行ったときも小潮で全く動かずボウズだった。どうも小潮という潮は、釣りを難しくするものらしい。ホリデーアングラーは潮を選べないのが辛いところだ。
さて、こういうときはどうすればいいのだろう。以下はネットで拝見した、潮が動かず、活性が低いときなりに工夫して釣果を上げておられた方の情報をまとめたものである。それにしても情報が少なく、楽に釣れている、といえる情報は得られなかった。やはりふつうの釣り人には難しい潮周りなのだろう。
作戦:潮が入れ替わりやすい場所で釣る。
外洋に面したテトラ、風を受けて波立つなどわずかでも酸素量やプランクトンの活性が上がるエリア。今回でいうと、ホンダワラがびっしりだった外向きテトラのほうがまだ可能性は高かったのであろう。
ほかに、川尻など絶対的に海水が動くポイント。青岸でも、やはりテトラ側だったか。
作戦:酸素の含有量が多い場所で釣る。
深場、沖合(人が見えない距離)、日陰。水質の変化が起きにくいところを探す、とでも言おうか。居着きの個体を狙い撃つということらしい。真冬の低活性時の釣りのイメージか。
作戦:少しでも活性の高い個体にアピールする。
さし餌を意図的に動かして誘いを掛ける。これも低活性時の攻め方のひとつ。だが通りすがりを掛ける戦術なので、ダンゴなのに数釣りはできないように思う。それにどう動かせば誘いになるのか、はさっぱり分からない。
結局のところうまい釣り方、については未だによく分からない。だが酸素量が多いのか少ないのか、を気をつけて水質を見る必要があるのだな、エサ取りもいない場合は酸素量も疑ってみるといいんだな、ということが分かったのは一歩前進である。
タイドグラフで小潮、長潮、若潮のときの釣り場選びで気をつけることとしよう。
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