【フカセ釣りレポート】2019/03/09 激流の、ズキューンin紀ノ川
天ぷらが食べたい。
釣りの動機とはだいたいそういうものである。
釣れなかったら悔しくて次はもっとこうしてやろうと思って釣りに行きたいし、釣れたらあんとき食った天ぷらが美味かったからもう一度食いたくて釣りに行きたくなる。
これがほぼ無限ループするうえに料理のバリエーションを工夫し出そうものなら永遠に「食う」を追及することになり、1週間の大半は完全に釣りのことばかり考えることになる。
食うために釣る。自給自足。今日のチヌはエサ代これだけやから単価いくらやな、いやその前に4回連続釣れてない分も乗っかるからスゲー!高っ!チヌそんな値段で売ってないやろ違うやんこのチヌには釣った楽しみがこもってるからプライスレスやんとかそんな夫婦の話題は置いといて本題。
狙い:満潮下げバナ狙うべし。
実は今回特段狙いというものがない。あるとすれば満潮8:00からの下げ潮入る8:30をターゲットに潮が緩んだ隙を狙って釣れるか。
例の「沈めちゃうけどギリウキ見えてる」釣法さえマスターすれば、緩潮のなかしっかり底を捉えてズキューンなると思う。なんというか、いつになくガッチリイメージが出来ている。
場所は間違いなく紀ノ川一択。しかも風向き予報からこないだの土入川テトラ、からのT字波止or水門。
風の予報は8:00ごろだと凪。10:00ごろから南風が強まり昼には爆風。14:00の干潮を過ぎれば、もうタナ浅いわ風強いわ潮速いわで釣りにならんのとちゃうんかと。なら朝イチ勝負ちゃうんかと。
そうなるとこの朝のベリーベストオブな時間帯にぜひとも同僚に釣ってもらう、そのお膳立てさえ出来れば今日はええんちゃうんかと。私はとりあえずボウズ覚悟ちゃうんかと。
てなってたのであんま深く考えずに22:00就寝。1:30に目が覚める。そこから4:30まで寝られず。あかん、釣りのイメトレしてすぎて寝れんくなった。
フカセ釣り実釣開始:
実釣時間:8:40〜16:30
7:30:
しばし考え南向きの風を背に受けるT字波止に変更。
撒き餌:
撒き餌を練っていると今度は左側T字波止の人が掛けている。チヌ。
何やここスゲーな!ヤバイやん時合いやん。
8:30:
8:40:
この流れの中、底を取るためにはいきなりだがここは沈めるしかない。同僚にも伝える。B+G2で緩やかに沈む。竿1本先、タナ3ヒロで流すと水面下50cmくらいを漂っていた。激流なんで、あっという間に流されますけど。
仕掛け:
横で同僚は何度も根掛かりさせるが、私は根掛かりせず。ん?
9:30:
ふと横を見るとなんと同僚が竿を曲げている。来たかついに!あかん!糸巻いて駆け引きしたら!竿をもっと立ててタメて!ドラグ緩めて走らせて!浮いた時にリールで巻く!そうそう!また竿立てて!そう!よし浮いた!ランディング!36cm!ヤッター!
ウキ入るとこ見えたか?いや、沈んでたのでライン見てたら走った。そうか、ちゃんと底に仕掛け入ってたんや。よう引いた?よなあ、コレやで寒チヌスゲーなこの状況で1発!おめでとう!
いやー良かった良かった。
いやーヤバいヤバいオレ。
10:00:
左から右に表層が激流、でも底潮は左に激流。竿を海中に突っ込むなどするが、仕掛けは沈みつつ左へどんどん流される。制御不能。もっと重く、と思い、B+Bを打ち、ハリ上15cmにG2を打つがそれでも流される。
ただある時、潮がほんの少し緩んだか、底にさし餌がもたれたようにウキがジワジワ沈んだ後、水中でビュッとウキが走る。とっさに合わせるもバラシ、針外れ、仕掛け回収、仕掛けを手に掴んだとき針先から足元になにか落ちる。大きなウロコ。スレた。マジかあ(2回目)。
でも仕掛けは底に届いたようだ。
B負荷のままガン玉B+Bで流すがアタリなし。ピクリなし。打ち手なし。さらに左手から風が吹き出す。
11:30:
前に一度、和歌山の季節風「マゼ」と呼ばれる南風が強すぎて、青岸白灯の和歌山港側では真向かいに風を受け紀州釣りができなかった時に、風から逃げるように、反対側のテトラの上から無理やり団子を投げたことがあった。
危なっかしくて仕方がなかったが、完璧に風を避けられたことを思い出したのだ。
ちなみに当時も夕方一瞬潮が緩んだ時以外は激流で釣りにならなかったのだが、紀ノ川から離れ、この時期フカセで釣れる他の場所を知らないので仕方あるまい。
13:00:
そしてこのバッカン置き。
なんということでしょう、平らな板の上にしっかり固定され、柄杓も横に収納できて落とす心配ゼロ。表面はソゲソゲボロボロの「暦年の風格」加工もしっかり施され、まるで達人になったかのような錯覚のなか釣りが楽しめます。エッジがV字カットされているので竿の置き場にも困りません。配置もデフォルト左側、左利きのワタシでもストレスなくスタートフィッシング。
はじめはおっかなびっくり、そおっと乗り込み、崩れやしないか心配しながらだったが、気がつけばテトラの上にいることをしっかり忘れてしまっているほどのグンバツの安定感。もう一回、すごいぞ和歌山のおいやん。ありがたく使わせていただきます。
13:30:
14:00:
あかん、休憩。潮があまりに速すぎる。とここで1号ウキに変えたらと同僚が助言。
あ、そうだ、厳寒期のチヌ釣りでチェックすべき34ものポイントで書いていた「練り餌を底にステイ」。そのためにはガン玉を底に着け、ハリスをまるごと這わせるイメージ、あとはとにかく撒き餌を打ちまくる!さすが同僚。今日は冴えている。
1号のオモリを切らしてしまったので、ウキの沈み加減見ながら、徐々にガン玉を足していく。1個ずつ負荷を足しながら投げては増やし、投げては増やし、を繰り返した30分の悪戦苦闘の結果、6B+4B+2Bでオモリ自体が底に落ち、仕掛けが流れずに止まった。
と、ラインがビューンと走る!よっしゃキター!狙いどおり!叫び声で、あまりにやりようなく寝落ちしてしまっていた同僚を叩き起こす!
チヌ41cm。がっつり呑まれていた。口周りが赤かったので、河口チヌらしく、やはり底のエサを就餌しとるな。
危ない。このウキは絶対に飛ばしてはならない。
16:00:
16:30:
同僚、最後の撒き餌ドカ撒き、左手に竿持ちながら撒く。撒いてる最中にビュッ!ウキが消し込む!とっさに合わす!素バリ!彼はルアーマンなので穂先のわずかなアタリも交感神経レベルで反応できてしまうため、合わせが早すぎたのかもしれない。
終了。いろんな意味で。
振り返り:何がどうでも必ずタナに仕掛けを入れる
今回は爆風の激流。
状況はどうでも、タナに仕掛けが入らないとチヌは食ってこない。悪状況であるほど、仕掛けの操り方が難しくなる。
永易名人もどっかでおっしゃっていたが、さし餌をしっかり「見せて気づかせる」間が必要なので、重い仕掛けで直線的に落としたり這わせが長過ぎて地面と同化したような状態では気づいてくれないように思う。
激流の中での自然な仕掛けの落ち方など知る由もないが、今回の沈み方、這わせ方はかろうじて1匹のチヌの目には留まることができたのであろう。
どう考えても今回のセッティングが正しいとは思えないが、一つのモデルケースとして記録しておく。
なお、最後に釣れたからこそ思うのは、T字波止での私の釣りは、やはり仕掛けが底に入っていなかったんだと考える。
ウキは確かに水面下に落ちたが、ジワジワシモって沈まずどこまでも流されるということは、さし餌が底を捉えていないということだろう。
根掛かり頻発の同僚が掛け、私が掛けられなかったのはそういうことだ。
Bではなく2Bや3B浮力のウキに変え、さし餌周りをもっと重くするセッティング。
まず表層の逆向きの潮をウキを沈めて突破し、さし餌を底に落とす。そこから本流の底潮にウキが乗って流され、さし餌が底にもたれ、ハリスが伸びきるまでの間が勝負。そこに撒き餌が絡めばズキューン!
ま、頭の中ではいつもこうやって爆釣してるんすけどね。
ちなみに今回釣ったチヌはどちらもまだ乗っ込んでいませんでした。
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