厳寒期のチヌ釣りでチェックすべき34ものポイント:【スポーンズ・アイ】フカセ釣りに挑む
本来この記事は1/27の南芦屋浜のチヌフカセ釣りレポートにするものであった。
よってネットや書籍でいろんなところに散らばっている記事から、「厳寒期のチヌフカセ釣り攻略法」と思しきものを拾い集め、釣れないときに、何をどう変えればいいかを考えるためのチェックリストを作ってみた。みなさんの釣りの参考になれば幸いである。
厳寒期とは?:
2019/01/27南芦屋浜では気温1℃〜9℃、水温8℃〜10℃であった。
厳寒期のチヌの習性を知る:
深場へ行くチヌと居着きのチヌがいる
まず、越冬のために深場に移動する個体と、深場に移動せず沿岸に居着く個体とに分かれる。
沿岸に居着く個体は、大型が多いといわれる。比較的体力があるかららしい。なので冬とはいえ、就餌のために回遊していると考えられている。フカセ釣りで狙うチヌはこちらの個体に限られよう。ただし盛期に比べて活性は低いため、動きは鈍い。
深場に落ちるチヌは、比較的若い個体のようである。深場といってもどのくらい沖の、どのくらいの水深まで落ちるのかのはっきりした情報はなかった。かかり釣りでは水深20m前後のところで釣れている、というのは見たことがある。日照や風、河川水などの影響を受けないくらい深いところだろうから、おそらく5〜6ヒロ程度の深さではなく、もっともっと深いところだと想像する。フカセ釣りで狙うのは得策ではないだろう。
水温低下時はあまりエサを食べない
次に、魚全般に言えることだが水温の低下、特に、急激な低下に弱い。摂餌限界温度は6℃とされる。
冬はどちらかというとリアクションバイト狙いか
でも警戒心が強い
しかしながら面倒なことに、警戒心も強いとのこと。好奇心が強いけど警戒心も強い。慎重かつ大胆。ややこしいヤツである。
警戒心が強いということは、まず外敵の存在に敏感で、身の危険がありそうならばすぐに逃げるだろうし、そもそもそんなところには行かないのだろう。
また、雑食であるがゆえ色んなものを口にするといわれる。ただ、そのとき違和感を感じると、一度咥えてもすぐに吐き出す。
違和感というのは、「食べ物か食べ物でないかとりあえず口にして確かめてみたものの、食べ物じゃないっぽい」と感じているか、もしくは「食べ物だと思って咥えてみたら、何か(道糸)がくっ付いてて自然じゃない」と感じて警戒する、と推測。
以上、まとめると、厳寒期のチヌの特徴は、
・沿岸部に「居着いている」チヌは
・水温が低いからあまり「エサを食べず」、「動きも鈍い」
・警戒心も強いので「違和感」があると「一度口にしても吐き出してしまう」
・でも目の前で動くものに「本能的に食らいついてしまう」し、
・「濁り」があると警戒心が薄れる
という習性になる。
厳寒期の理想のフカセ釣りとは:
上記のチヌの習性をもとにすると、厳寒期の理想のフカセ釣りでは、以下のポイントを押さえるのがよいのではないだろうか。
①少しでも「水温の高い場所」「エサが多い場所」で釣る
②チヌの就餌意欲を撒き餌で満たさないよう「少量を撒く」
③回遊するチヌを射止めるような「撒き餌」を撒く
④警戒心を解く「濁り」を出す
⑤違和感を感じさせない「繊細な仕掛け」、浮力設定にする
⑥違和感を感じさせない「挿し餌」にする
⑦動きの鈍いチヌにしっかり「挿し餌を見せる」
⑧リアクションバイトを意識した「誘い」を入れる
以下に、それぞれのポイントごとで先人の皆様の創意工夫を整理してみた。
厳寒期のチヌフカセ釣りチェックリスト:
①少しでも「水温の高い場所」「エサが多い場所」で釣る
水温が高くなる場所:
□晴れの日、夕方の水温が上昇するような浅場を狙う
□風裏を狙う
□温排水が流れ出る場所を狙う
エサが多い場所:
□汽水域、河口エリアを狙う。ムシ、貝、エビが多い可能性があるところを狙う。
□カケアガリ先の水深が急に深くなる場所を狙う。エサ溜まりしているイメージ。
南芦屋浜他、エビ撒き釣りのハネ狙いでチヌがかかることが多い。また1ヒロ~2ヒロぐらいの水深の場所は、朝に比べて夕方には3℃くらい水温が上がったりする。河口のテトラなどは、身を隠す場所とエサを捕食する場所が近いからチヌが居着くことが多いのではないだろうか。
一方、潮が速いところはいつまで経っても海水が温まらないので不向きであろう。
②チヌの就餌意欲を撒き餌で満たさないよう「少量を撒く」
□1度にたくさん撒くよりも一定のペースで少量を絶え間なく撒き続ける。
□1回あたり5杯〜6杯程度撒く。
□撒き餌は先打ち、後打ちどちらでも構わない。ずっと溜まることを心がける。
□反応がないからといって追い打ちをしない。もう一息待つ。
エサ取りもおらず、チヌの活性も低いと、撒き餌をたくさん撒くと、食べきれず捕食されずで撒き餌が残り続けるらしい。ただでさえ口を使わないチヌから食欲も失わせないようにする、というイメージらしいが、撒かなければエサの存在に気づかず、チヌが寄ってこないと意味がないのではないか・・
③回遊するチヌを射止めるような「撒き餌」を撒く
□食欲を満たさないために、集魚剤を主体に、オキアミは1.5キロと少なめにする
□底に溜めるために高比重、バラけない撒き餌にする
□大きな粒で魚にアピールするためオキアミは粒を潰さない
□撒き餌の臭いを強める、集魚力が強いとされる集魚剤を選ぶ(アミノ酸含有、など)
撒き餌を撒きすぎずにチヌを寄せる工夫としては、とにかく刺激的な撒き餌にする、ということであろう。うまみ調味料必須。小麦粉必須。
④警戒心を解く「濁り」を出す
□撒き餌にヌカ、オカラを混ぜる
□ダマにならない硬さに水分を調整する
厳寒期はプランクトンが少なくなる関係でスケスケのスケ潮になる傾向がある。警戒心を解くために常に少量の撒き餌をモクモクさせるイメージだろう。とはいえ底に溜め続けることも大事だとすると、バラけるような撒き方、空を切るような撒き方を織り交ぜるのはどうだろう。
⑤違和感を感じさせない「繊細な仕掛け」、浮力設定にする
□軽い仕掛けでエサを自然にふんわり落としてやる。ハリ上50cmくらいにG5を打つ、など。
□できる限り小さいウキ、感度の良いウキを選ぶ。
□ウキ止めの無い全遊動で釣る。
□抵抗の無い沈め釣りで釣る。ウキ単体で沈むようなウキを使う。水中ウキ、00号にG5を打つ、など。
□ハリスを細くしてみる。
□ハリを小さく軽くする。チヌ針2号→1号へ、さらに軸の細いアブミなどへ。
□黒いハリ、目立たないハリにする。
ようするに「自然に漂う」を徹底的に意識するということであろう。ハリを小さくするのは多くの方がされている工夫であった。
もうひとつ、ウキの沈め釣りや全遊動の釣りにするのも釣果につながる傾向が強いようだ。ただこの「沈め釣り」、今どの距離でどのくらいの深さまで沈んでるのかが、やってみてもよく分かんないんだよね・・ウキが見えないと面白くないし・・
⑥違和感を感じさせない「挿し餌」にする
□這わせても刺し餌が残る場合はオキアミの殻を取ってムキ身にする。
□練り餌を使う。柔らかくて粘りのあるようにする。大きさも小さく。小さいハリが隠れるように。
⑦動きの鈍いチヌにしっかり「挿し餌を見せる」
□中層から探っていき、ウキ下を下げていく。アタリがなければ這わせる。
□サシエが底を引きずられながら這っているイメージ。
□這わせて少し待ってみる。
□練り餌を底にステイさせる。
□潮が動く場合は、挿し餌を底で這わせるためにハリは軽すぎないように。
□円錐ウキの場合は、挿し餌を先行にして這わせるイメージ。底に落ちたら少し浮かせて潮下に置き直す。
□棒ウキの場合は、先行する棒ウキに挿し餌が引きずられて、落差の大きなカケアガリに挿し餌を誘導させるイメージで。この場合、サシエの抵抗でウキが沈むのを計算に入れて余浮力を少し多めに設定する。
⑧リアクションバイトを意識した「誘い」を入れる
□しばらくしてアタリがなければ竿先をゆっくり持ち上げるようにエサを動かしてエサを置き直す
□円錐ウキを沈めて、ラインを数cm引っ張る。ラインを張って待つ。穂先の魚信に集中。
□棒ウキの場合はラインを張って棒ウキを引く。ウキトップの魚信に集中。
と、ここまで書いて思うのは、みなさんの書いてること、特に所作についてマネしようと思っても、頭の中のイメージ通りになっているかどうかは、やってみた結果釣れた、という体験がないことには分からないということ。
そのくらい感覚的なんだよね。全部。超感覚的。チョーカンカクテキ。チョーカン、カクテキ。カクテキなんだよ。ほんと。
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